リングができるまで
〜すべてに込めたクラフトマンシップ~
ようこそ、ふたりのリングが
うまれる工場へ
パイロットのリングは、神奈川県平塚市にある自社工場でつくられています。
精密な機械がずらりと並ぶ工場然とした空間ですが、
そこは職人の技と経験なくしては成り立たないクラフトマンシップに満ちたものづくりの場です。
素材となるプラチナづくりから完成品になるまでのすべての工程は、
機器を自身の手のように操る職人たちがいてこそ。
では、パイロットのリング工場をのぞいてみましょう。
Step.1
もっとも大切な素材づくり
純度計算をした材料を溶解する。通常のプラチナや18金などは溶鉱炉で高周波溶解を、パイロットブライダルに使うUHP(ウルトラハードプラチナ)は炉内が真空状態になるアーク溶解を行う。一般的な溶解(高周波溶解)は20分ほどで済むが、アーク溶解は1日半ほどの時間と手間ひまがかかる。
- 材質や形状をみながら高周波溶解炉に入れていく
- 溶け出すと早いために職人がそばで様子を見守る
- 溶けた素材を型に入れて長方形のインゴット(のべ棒)に仕上げる
- プラチナのインゴットからは大体100~150個のリングができる
Step.2
鍛造×シームレス=硬さと縁起よさ
パイロットの鍛造製法は、プレス機で行う。素材となるインゴット(のべ棒)は、大体40回程度はローラーでのばしていく。規定の厚みになれば、プレス機で型を抜いて成形。鍛造やシームレス加工も熟練職人がつきっきりで作業する。
- ローラーでのばしては戻してまたのばす、という作業を地道に繰り返す。
- 機械で抜いたドーナツ状のメンコ型を曲げ起こしていく。
- メンコ型(左端)から段階をへて、潰し成型というリングの原型(右端)まで仕上げる
Step.3
広げて削ってリングの形へ
オリジナルの機械でリング径を内甲丸状に広げて素材刻印とパイロットマークを刻む。
何度も機械や刃先を変えてはリングの外側や側面などを削っていく。
手先の感覚だけを頼りに100分の1ミリ単位で削りながらバランスを整えていく。
- リングの形や刻印を確認
- リングの原型と内甲丸になるように広げたリング
- 刻まれた刻印は信頼の証
- リングの芯に棒を通して歪み調整やサイズ径に精度をだす
-
リングを回転させて表面や側面を削る。
摩擦を防ぐため潤滑油を流して行う - 表面を削る刃物は種類が多い。リングのデザインにあわせて刃物を選ぶ
Step.4
技を極めて美を宿すデザイン
ダイヤカットでのライン彫り、正確に粒を刻むミル打ち、上品な質感をだすツヤ消しなど、加飾といわれるデザイン作業はまさに精密機械と職人技の融合。ひとつひとつのリングに美しき個性があたえられる。
- ツヤ消し加工は、ガラスビーズを均一に吹き付けられる大型の機械で行う。機械任せにはせず配置や時間を厳しく見極める
- ダイヤカットでシャープなラインをいれていく。工場には女性の職人も多い
- ダイヤモンドなどの石留をひとつひとつ手作業で
- ミル打ち、ツヤ消し、ライン彫りなど加飾されたリング
Step.5
指あたりと光沢をかなえる磨き
総仕上げとなるのが研磨工程。大きな研磨機では作業中の傷を落として光沢をだす。細かい研磨機では切削面を磨き込み究極の内甲丸へと仕上げていく。光沢や内甲丸を徹底するために一度石を外すこともある。技と経験が必要とされる磨きは、パイロット製リングの美しさと着け心地の決め手。
- 大きな研磨機を使って傷を落とす荒磨きを行う
- 細かい研磨機での仕上げ磨き。職人ごとに工夫を凝らした手製道具で作業も
- リングに角度をつけながら磨いていく。摩擦熱がすごいため軍手二枚以上は必須
- 磨きを終えて洗いをかけたリングを検品。最後まで厳しいチェックが続く
Step.6
永遠の幸せを刻む
検品を終えたリングにイニシャルや記念日などの文字を刻む。
リングの形にあわせて彫刻機を使い分け、
ふたりのオリジナルが完成する。
一文字一文字、幸せを願って